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rail road journey・浦上天主堂の記憶2

雨は

降ったり 止んだり しまして、

ふりやみ ふりやみ ふあふあ情緒...



泣き笑いの空なのさ。



泣きやんだ隙に、

遺構の佇む庭へと行きませう、

さあ入りませうね...とした...矢先の矢庭、



Σガササ バサ ガコッツ!



真後ろで、

ブッキラボーなブチツケ音が...

場所からして意想外の騒々しさだ、



な ん な の さ。



驚き 桃の木 いいえなんか 南国の木、

けたましい音の出どころったら...

猫 な の さ。



猫の仔

なのさ仔猫ひょこん。

うしろ足の爪でハッシと添え木をつかみ、



一所懸命. . .かわいい.. . ♪・



突然。

突拍子もなく突飛にあらわれ、

聖域のジャングルチックな庭を跳ねるよ、



走る 跳ねる 走る. . .活発・°



だったら

こちらも突如して、

手持ちの お鈴を 鳴らすわよ。



リィーィン .・∴

リィンリィーン .・∴・

リィーィンリィーィン .・∴・°



...どうかな?



そこはかとない残り香みたく、

音色の 尾をひく お鈴だよ。

君がために鳴らしたさ。



そうして

気を惹こうとするわたしを、

しばし不思議そうにみつめつづけて...



そっぽ向く。

興そそられるものが変わったの、

またたくま どこか また 跳ねてっちゃった。



. . .ありがと猫ちゃん。



気持ちがね。

重い歴史ゆえに大切でも、

ひしゃげそうだった...核投下なんて...



空前絶後なんだもの。



なごめたさ。

気を持ち直したところで、

遺構が発しつづけるメッセージを...



受けとりにゆこう。



被爆マリア様には

胴体と眼球が欠けてらした...

こちらの像が かたどる聖人には 首や鼻がない。



原爆の熱線で焼けこげたという説明は、

よく見かけて読み知っていたつもり。

けれど、こうして向きあい、



対峙しますと...



百聞を越える。

すでに風化するものでもない、

その姿でこそ証しつづけてゆくんだ...



生きし像。



物言わずして物言うとは、

無言で語る力...

なのね。



佇む

聖人像の背後にも、

赤い花だわ 赤い花が 咲いて。



目に沁みるな



いつからか、

芽吹き 花咲き 枯れて 芽吹き...

もういくつ季節を経巡ったでしょう。



千羽鶴...

ここにも手向けられて。

のちのち気付いてゆくけれど、



この日は

市内の至るところに

折り鶴ちらほら...吊りさげられてあったの。



それは

目立たないような隅っこにも、

大小の規模を問わずにささやかに。



一羽一羽を

一人一人さまざまな方が

祈りをこめて 折りこんだから、かしら...



かさね合わせた両手にみえる。



*-*-*-*-*

rail road journey・浦上天主堂の記憶1


参堂する前に、

意識して深呼吸したのは

坂道を登ってきたから...だけじゃない。



いざ、

赤レンガ造りの天主堂を

前にすると...無骨でいて逞しい構えに、



完全のみこまれた感。



雰囲気と

いうには軽すぎる、

気宇壮大さに自分のほうの気を...



しっかり引き締める一拍が必要だったの。



堂内に照明器の類いは灯されていなかった。

小暗いなかにも充ちる光りは

ステンドグラスを透かす...



自然光だけ。



あらたかに

ひろがり亙る光りは青く、

色ガラス色よ...潜ったように水の中...深海の、



アース・ブルウだわ。



世と一線を画した俗の穢れなき、

純然たる祈念空間は...

静謐で。



こころ...



穏やかになるのだと。

誰もが言い触れるこの場に及び、

どこかしら茫然としていたように思う。



我れを 忘れ 祈りをすら 忘れ



身につけた

衣服もないくらい、

裸に感じる...無想ごこち。



お堂を出て、

聖域内を散策しますに。

さまざまなマリア像が安置されており...



想いや祈りによって、

現わされる御姿のちがうこと...

聖女と一口に言えても ひとくくり ならず。



...それでも。



母なるマリア様。

お優しいだけで留まらないのよ、

慈しみの裏に かなしみを 含まれてから。



...きっと。



*-*-*-*-*

rail road journey・誓い

浦上天主堂へゆきまする。



お堂へ

辿りつくために、

わかっていたのは方向だけよ...充分よ。



浦上天主堂へゆきまする。



通りいっぺん、

雨洗われて すがしい 道行きに、

アンジェラスの鐘が鳴るよ...鳴りわたる。



「  ...鳴ったね。」


「  ...鳴ったな。」



聴けた。

旅の前夜に二人で

話していたものでした、



祈りの音色を聴けたらね...って。



それが、

此処だった。

忘れた頃に鐘が鳴ったの...これは、



きっとギフト。



なんら

映えない裏通りにて、

淡い 希み 叶い 一等かがやいた...道。



" 天主堂の見える丘 " に来て。



すぐ目の前に感じる、

遠くにありし双塔の教会を眺める。

視界に とらえられる位置までは 着いたわ。



「  ...あれが。」


「  ああ。十代振りだよ、...、...、」



いつもなら、

他愛ない冗談や

罪のない笑い話が多いうちの人...



言葉少な。



少年時代-。

伴侶は浦上天主堂を訪れ、

人の手により 造りだされた お堂の...



なぜに清浄で厳かなことか



その

神々しさに打たれ、

感銘を受けたのだという。



いつか  もう一度  来よう



そのときは、

妻となる人生の相方を

連れてくる...再来を誓っていた。



歩きやすい

観光コースからは、

たぶん外れちゃってる。



地元の人が

生活で使うような道を

当てずっぽうに歩いていった。



当たっていたよ大丈夫だ。

先んじて前を行く人もいるし、

矢印が導く方向へ このまま 進も。



...私たちは年の差夫婦。



よって、

慎ましい祝言を

挙げてはいるけれど...



かつての少年が真剣に誓ったことも



大事に果たしたい。

それに したって おかしなものね、

同じ人と ひきつづき 二度目の誓いですもの。



年の差も、

出逢うまでにかかった月日も、

なんて長く離れていたことでしょう。



少年時代はプロローグ。



時を越えて

完結させましょ、

つづきを予感させて終わる...



始まりの始まり風にエピローグ。



着いた...浦上天主堂。



この日、

わたしたちは

古くの誓いを果たした。



聖イエス聖マリアが御見守りの

目の前、いいえ、目の中で、

ひっそり二人っきり。



堅く結いなほす、

夫婦の絆は相身互いよ。

一生二人三脚 足まで結んだ 者同士...



新たに。


*-*-*-*-*